妊娠中にやらなければいけない手続き一覧【保存版】
妊娠が分かると嬉しい気持ちと同時に、「何から手をつけたらいいの?」と不安になる方も多いでしょう。妊娠中は、行政・医療・職場などで行うべき手続きが意外と多くあります。
この記事では、妊娠初期から出産直前までの間にやらなければいけない主な手続きを、時期別に分かりやすくまとめました。
妊娠初期(妊娠がわかったらすぐ)にやるべき手続き
① 妊娠届の提出と母子健康手帳の交付
提出先: 市区町村の役所(保健センター)
必要書類: 本人確認書類、妊娠証明書(病院で発行)
もらえるもの: 母子健康手帳、妊婦健康診査受診券(補助券)
母子健康手帳は、妊婦健診の記録だけでなく、出産後の予防接種や発達記録にも使用する大切な冊子です。妊娠が確認されたら、できるだけ早めに役所へ提出しましょう。
② 妊婦健康診査(妊婦健診)受診券の確認
自治体によっては、妊婦健診の費用を一部または全額補助してくれる制度があります。14回前後の健診が対象で、補助券を使うことで経済的負担を大きく減らせます。
ただし、自治体によって助成金額や利用可能な医療機関が異なるため、交付時に詳しく確認しておくことが大切です。お住いの自治体に確認をしましょう。
③ 職場への妊娠報告
職場へは、体調変化による業務配慮や産休・育休手続きのためにも、なるべく早めに報告しましょう。一般的には安定期(妊娠5〜6ヶ月)前後が目安ですが、つわりが重い場合は早めでも問題ありません。
職種によっては引継ぎや人事異動なども発生する場合があるので早めに相談をしましょう。
妊娠中期(妊娠5〜7ヶ月)にやるべき手続き
④ 出産育児一時金の申請準備
支給額: 1児につき50万円(健康保険加入者)
申請先: 健康保険組合または国民健康保険(自治体)
出産費用の支払いに利用できる制度で、ほとんどの医療機関では「直接支払制度」を導入しています。病院で申請書類に署名すれば、自己負担を減らせます。
また地域や出産する病院によっては50万円を下回ることもあります。この場合は差額が戻ってきますので、別途申請が必要となります。
詳しくは厚生労働省のHPや全国健康保険協会のHPなどで確認できます。
⑤ 産休・育休の申請(勤務先)
産前産後休業: 出産予定日の6週間前〜出産後8週間
育児休業: 原則として子が1歳になるまで(最長2歳まで延長可能)
会社員の方は、産休・育休の申請書類を勤務先に提出しましょう。同時に、出産手当金や育児休業給付金の申請準備も進めておくとスムーズです。
妊娠後期(妊娠8〜10ヶ月)にやるべき手続き
⑥ 出産手当金の申請準備
対象者: 健康保険に加入している勤務中の女性
支給額: 日給の約3分の2 × 産休期間
申請先: 加入している健康保険組合
医師の出産証明書、勤務先の証明書などが必要です。出産後に申請しますが、妊娠中に必要書類をそろえておくとスムーズです。勤務先に確認をしておきましょう。
⑦ 医療費控除の準備
出産・通院・薬代などの費用が年間10万円を超えると、医療費控除の対象になります。領収書や明細書は必ず保管しておきましょう。
確定申告は翌年2月〜3月に行います。
最近は「マイナポータル」と確定申告システムを連携できるため、オンラインで申請も簡単です。
出産直前〜出産後すぐに行う手続き
⑧ 出生届の提出
期限: 出生日を含めて14日以内
提出先: 子どもの出生地または本籍地の市区町村役場
必要書類: 出生証明書、届出人の印鑑、母子手帳、身分証明書
出生届はパパ・ママどちらでも提出可能です。出生証明書は出産した病院で発行されます。
出生届は子の出生地、父母の本籍地、届出人(父母)の住所地。
里帰りなどの場合は出生地の役所にも提出することができますが、その後の住民票への反映や児童手当などは申請期限おあるので事前に確認が必要です。
⑨ 健康保険と児童手当の申請
子どもを健康保険に加入させる手続きは、会社員なら勤務先、国民健康保険なら市区町村で行います。
児童手当: 出生の翌日から15日以内に申請する必要があります。
支給額は次のとおりです。
- 0〜3歳未満:月15,000円
- 3歳〜中学生:月10,000円
所得制限があるため、申請時に案内を受けましょう。
⑩ 出産育児一時金の受け取り・精算確認
病院に直接支払われた場合でも、自己負担分の清算が必要なことがあります。領収書・明細書を必ず確認しておきましょう。
知っておきたいその他の支援制度
| 制度名 | 内容 | 申請先 |
|---|---|---|
| 妊婦・乳児訪問 | 保健師が自宅を訪問し、健康や育児の相談に応じる | 市区町村 |
| 高額療養費制度 | 出産時の医療費上限を超えた分を払い戻し | 健康保険組合 |
| 医療費控除 | 出産・通院・薬代の一部が所得税還付対象 | 税務署 |
| 出産費貸付制度 | 出産育児一時金を前借りできる制度 | 健康保険組合 |
まとめ|妊娠中の手続きは「時期別チェックリスト」で管理を
妊娠中は体調変化が大きく、手続きも多いため、抜け漏れを防ぐには「時期別に整理」することが大切です。以下のようにスケジュール化しておくと安心です。
- 妊娠初期: 妊娠届提出・母子手帳交付・妊婦健診補助券確認
- 妊娠中期: 出産育児一時金・産休育休申請
- 妊娠後期: 出産手当金・医療費控除準備
- 出産後: 出生届・健康保険・児童手当申請
早めに調べて準備しておけば、出産後の手続きもスムーズです。体調を最優先に、無理のないペースで進めていきましょう。
